東野圭吾の「卒業 雪月花殺人ゲーム」を読んで加賀恭一郎の出身地を考えてみた。
沙都子の通う国立T学は、県庁所在地であるT市とその隣のS市との境界にある。しかし厳密にはS市側に位置しているというのが、事実のようであった。最寄りの駅は『T大前』という名前の私鉄の駅で、この私鉄はT市の中心から出ている。(8頁)
沙都子はある出版社で働くことに決まっている。そしてその会社は東京にあるのだ。T市からだと東京に出るだけでも最低二時間はかかるから、当然家を出なければならない。(20頁)
T大理工学部は敷地内の西南の端、正門から見てもっとも奥に位置している。文学部や社会学部、そして経済学部の学舎が一応何らかの形で新しく修復されているのに対して、ここの建物はすべて創設時のままだ。前身はT市立理工学専門学校といい、したがってこの学部自体はT大そのものよりも歴史が古いということになる。(76頁)
まとめると次の通り。
- Tで始まる県庁所在地
- T大は国立大学
- 東京まで2時間
- T大前という私鉄の駅がある
- T大には理工学部、文学部、社会学部、経済学部がある
- 前身はT市立理工学専門学校
- T市の隣はS市。T大は実はS市にある。
Tで始まる県庁所在地は以下の通り。
千葉 富山 津 鳥取 徳島 高松
このうち、大学があるのは以下の通り。
千葉大学 富山大学 鳥取大学 徳島大学 高松大学
このうち、高松大学は私立なので除外。
千葉 富山 鳥取 徳島
で、東京まで2時間??
これが難しい。駅探だと富山から東京まではかがやきを使うと2時間10分くらい。
千葉は近すぎ、鳥取、徳島は遠すぎる。
これは富山で決まりか?
と思ったが、「卒業」が書かれた1986年にはまだ北陸新幹線はできていない。
特急はくたかだと2時間50分くらい。
うーん、当てはまる市がないぞ……
富山市には「大学前」という市電の停留所がある。
鳥取市には「鳥取大学前」というJR山陰本線の駅がある。
徳島市には「徳島大学前」というバス停がある。
これもぴったり当てはまる市がないねえ。
千葉大には文学部、教育学部、法政経学部がある。
富山大には人文学部、経済学部、人間発達科学部がある。
鳥取大にある文系学科は地域学部のみ。
徳島大には理系の学部しかない。
(注:これは現時点での学部構成であって、1986年当時は違うかもしれない)
ぴったりではないものの、一番近いのは富山市かなあ。
1986年頃に富山市に隣接していた自治体は以下の通り。(多分)
新湊市 下村 小杉町 婦中町 大沢野町 大山町 立山町 上市町 舟橋村 滑川市
「S市」となると新湊市くらいか。
どうもぴったり一致する市が見つからないようだ。
架空の市か?