確率の問題 その2

昔、確率の問題というのを書いた。
最近、鹿ブログさんの「確率」という記事を読んで面白いなあと思ったので、もう一度確率について書いてみる。

問題1:
斎藤さんには二人の子供がいる。双子ではない。下の子が女の子である確率は?

解答1:
答えは1/2。
組み合わせは4通り。男男、男女、女男、女女。
そのうち下が女の子なのは男女、女女の2通り。
なので答えは2/4=1/2。

問題2:
斎藤さんには二人の子供がいる。子どものうちの少なくとも一人が女の子である確率は?

解答2:
答えは3/4。
組み合わせは4通り。男男、男女、女男、女女。
そのうち少なくとも一人が女の子なのは男女、女男、女女の3通り。
なので答えは3/4。

問題3:
斎藤さんには二人の子供がいる。日曜日生まれの子はいるかと聞くと、いると言う。では、もう一人が女の子である確率は?

解答3:
答えは27/52。約0.519。1/2でも3/4でもなく、27/52。
これが面白い。一方の子が日曜日に生まれたかどうかが、他方の子の性別に影響を与えていることになる。

全くぴんとこない。
ぴんとこないものの、誕生日に関する情報を得るとこのようなことになるのか?

では、誕生日とは全く関係ない知識の有無だとどうなるのか、というのが鹿ブログさんの問題4。

問題4:
2人の子供がさいころを振った。子供たちに、6の目を出した人はいるかと聞いたら、いると言う。ではもう1人が女の子である確率は?(なんだこの日本語(笑))

解答4:
鹿ブログさんと同じ要領で考えてみる。
サイコロの目が6であることを「6」、女の子であることを「女」、その両方とも満たす場合は「6女」と表す。X=「どちらかが6」、Y=「もう1人が女」とおき、事後確率P(Y|X)=P(X,Y)/P(X)を求める。P(X)は、Xの否定であるNot_X=「2人とも6でない」の確率P(Not_X)を使って計算すると、

P(X) = 1-P(Not_X) = 1-(5/6)^2 = 11/36

次に2人をAさんBさんとすると、P(X,Y)=「Aが6でBが女の確率」+「Bが6でAが女の確率」-「AとBが両方とも6女の確率」であるため、

P(X,Y) = 1/6 * 1/2 + 1/6 * 1/2 - (1/6 * 1/2)^2 = 23/144

よって、

P(X|Y) = P(X,Y)/P(X) = (23/144) / (11/36) = 23/44 ≒ 0.523

やっぱり3/4でもないし、1/2でもない。27/52でもない。
へえ。誕生日に関する情報かどうかは無関係のようだ。

問題3と問題4を比べてみる。
問題3の場合には、少なくとも片方が1/7の事象に合致している場合、他方が女の子である確率は0.519。
問題4の場合には、少なくとも片方が1/6の事象に合致している場合、他方が女の子である確率は0.523。

ほうほう。少し見えてきた。
少し一般化してみよう。

問題5:
発生確率が性別には関係ないとある事象Eがある。Eの発生確率をpとする。斎藤さんには二人の子供がいる。斎藤さんの子供たちに、Eに該当する人はいるかと聞いたら、いると言う。ではもう1人が女の子である確率は?

解答5:
事象Eに該当することを「E」、女の子であることを「女」、その両方とも満たす場合は「E女」と表す。X=「どちらかがEである」、Y=「もう1人が女」とおき、事後確率P(Y|X)=P(X,Y)/P(X)を求める。P(X)は、Xの否定であるNot_X=「二人ともEではない」の確率で計算できて、

P(X) = 1-P(Not_X) = 1-(1-p)^2 = 2p - p^2

次に2人をAさんBさんとすると、P(X,Y)=「AがEでBが女の確率」+「BがEでAが女の確率」-「AとBが両方ともE女の確率」であるため、

P(X,Y) = p * 1/2 + p * 1/2 - (p * 1/2)^2 = p - (p^2)/4

よって、

P(X|Y) = P(X,Y)/P(X) = (p - (p^2)/4) / (2p - p^2) = (1-p/4) / (2-p)

確かめてみよう。

p=1/7だとP(X|Y)=0.519...
p=1/6だとP(X|Y)=0.522...

うん、合ってそう。

極限を考えよう。
p=1の場合(例えば、知り合いに佐藤さんという名前の人がいる人、のように誰にでも当てはまりそうな場合)、P(X|Y)=3/4。
p=0の場合(例えば、1月1日 12:00ジャストに生まれた人、のように非常に稀な事象に当てはまる人がいる場合)、P(X|Y)=1/2。

あ。少し見えたかも。

p=1である情報の情報量はほぼゼロである。その場合には、情報の有無はほぼ関係ないので、他方の子が女の子である確率は3/4のまま。
一方、p≒0である情報は非常に大きな情報量を持つ。この場合、どちらの子かはわからないものの、確実にどちらかの子のことは無視して良いため、残った一人の子が女の子かどうかという確率(1/2)に等しくなる。

ということ?

うーん、結局、わかったような、そうでもないような…

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